H?Katukawa from Tokyo(エイチ・カツカワ・フロム・トウキョウ) ニベレザーシューズ

2015.05.03 Sunday

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    普遍的な価値を持つものとはどういうことなのでしょう。
    あまり奇抜なことはせずに、無難に落ち着くほうが、
    長い目で見たときに価値が落ちないような気がします。
    でもそんなものはそこらじゅうに転がっているので、
    それだけが光って見えるということはありません。
    いい服やいい靴と出会うたびに、そんなことを考えてしまいます。



    イギリスにはその長い歴史の中で脈々と受け継がれてきた紳士靴の深い伝統文化があります。
    そこには「美しい靴とはこういうことである。」と、もはや揺るぐことのない価値観があります。
    その完璧なまでの靴づくりに魅せられて、それを学ぶためにイギリスの地に足を踏み入れた勝川氏でしたが、
    帰国後、2007年に自身のブランドを立ち上げると同時に発表したのがこの靴でした。
    揺るがないはずの強固な価値観を、勝川氏の中で完全に打ち砕いたものでした。



    この独特の質感の革はニベレザーといって、勝川氏本人が名付けたものです。
    つまり生みの親ということです。
    今まで流通していた革を使うのではなく、
    新しいオリジナルレザーを開発することからブランドが始まりました。
    着目したのは捨てられていた革です。
    牛の皮は人間とは違って分厚いので、用途に応じてスライスされます。
    一般的には外側の部分を革として加工したものが、靴に使われるのですが、
    勝川氏が選んだのは最も内側、つまり肉や脂肪が接していた通常は使われない部分です。
    表情が不均一であり、やわらかすぎて加工や縫製が難しく、
    プロダクトには向いていない、とされていたのです。
    この素材感に美しさを見出し、その表情を靴として活かすために、
    加工はせずそのままタンニンなめしをし、
    やわらかさと強度を兼ね備えたレザーの開発に成功しました。
    スウェードやヌバックとも違う、野生味あふれるボサボサした質感は、
    見た目も珍しく、キャッチーでもあり、
    動物の内側、内蔵などの近くにあったものだからなのか、
    工業製品でありながら、他の靴に比べて、
    なんとなく自然物に近い感じがしないでしょうか。
    勝川氏はこれを「イノチを履く」と表現しています。



    僕はこの靴に普遍的な魅力を感じます。
    発表からしばらく経った今はもちろんのこと、
    この先もずっと魅力を放ち続けるだろうと思います。
    おそらくそれは「美しい靴とはこういうことである。」
    という既成概念にとらわれず、
    自らの目で美しさを発見し、自らの手で形にしていることで、
    唯一無二の個性を備え、流行りのものなどと比較して価値が浮き沈みするものではないからでしょう。



    また、もうひとつ重要なことは素材の魅力に負けない靴そのものの作りです。
    ここには勝川氏が学び習得してきた、
    脈々と受け継がれてきた正統な靴作りの技術がつまっています。
    常識を疑ってかかるような視点をもちながらも、
    伝統的な靴作りを学んだ勝川氏だからこそ生み出せた靴です。
    この相反するようなことが共存できているところに普遍的な価値が生まれるのかもしれませんね。



    デビュー作にして永遠の名作であるニベレザーシューズ。
    美しさ、野生味、親近感、愛着、完成度、不完全さ、かっこよさ、
    何かを感じてもらえたなら、ぜひともあなたの足元を飾っていただきたいです。
    靴修理屋さんでもある勝川氏ですから、アフターケアも万全です。
    ソールが駄目になっても、オールソール交換をして長年に渡るお付き合いができます。
    また、ご要望であれば勝川氏にペイントしてもらうこともできます。
    履き込んでいくとそれぞれの色がぼんやりと本体になじんできます。
    そのままでもいいですし、またその上から塗ってもらってもいいです。
    ついつい足取りも軽やかになる夢のある靴になりますね。



    ニベレザーシューズ H? Katsukawa from Tokyo

    H?Katukawa from Tokyo(エイチ・カツカワ・フロム・トウキョウ) ニベレザーシューズ 再入荷いたします。

    2015.01.21 Wednesday

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      「もしも自分で店を構えたなら、この靴を扱いたい。」

      toronがオープンする数年前から思いをあたためていた靴です。

      そしてオープンの半年前、デザイナーである勝川氏を尋ねて東京へ向かいました。

      初めてこの目で靴を見て、さわって、勝川氏とお話をさせてもらったのです。



      見たことのない表情だけど、奇抜な仕上がりというわけではない。

      不思議なバランス感覚で野生味と品のよさを兼ね備えています。

      シャープだけどまるっこいフォルムが、かっこよくてチャーミングです。



      普通は使われない部位をオリジナルレザーとして開発し、

      勝川氏の創意工夫、独特のセンスが詰まっていて、

      人の仕事の美しさ、体温を感じることのできる靴でした。



      「体温を感じることができる」

      オープンまでの半年間、僕が店の理想のイメージを描こうと、

      書き留めていたノートにも書いてある言葉です。

      まさにこの靴がこの役割を担ってくれる、と思いました。



      帰りの新幹線でもドキドキが止まらなかったのを覚えています。

      まだ内装も決まっていないのに、ぼんやりと店の輪郭が見えてきたような気がしたのです。

      この日、モノクロの無声映画に突然色が付き、音が聞こえてきたような感覚でした。



      定番品や一流品というのは誰かのお墨付きではなく、

      自分で判断したほうが面白いし、自分にとっての本物が見つかると思います。

      オールデンやトリッカーズのように特別有名ではないけれど、

      これまた有名ではない地下の隠れ家のような服屋で見つけて、

      「この出会いは本物だ。僕にとっては必用なんだ。」と胸を熱くしてほしいわけです。



      所有欲やステイタスでもなく、

      美しいものを見たときの感動を身にまとうというピュアな衝動があるでしょう。



      また、盲目的にモノだけを見つめるのではなく、

      オシャレを楽しんで日々を送るための大事なパートナーを見つけてもらいたいのです。



      そんな思い入れ十分なこの靴もなくなりかけていますので、

      再びオーダーをかけました。

      2015SSとしてまた入荷してまいります。

      どうぞお楽しみに。


      ※入荷はペイントのないタイプです。
      ご希望でしたらペイントしてもらえますのでご相談ください。
      また、前回のブログから2日経ってしまいましたが、
      このペイントシューズこそが、僕が履いていて声をかけられるNO.1の靴です。
      対局のイメージにある2足ですが、どちらも大好きです。

      H?Katukawa from Tokyo(エイチ・カツカワ・フロム・トウキョウ) ニベレザーシューズ

      2014.04.12 Saturday

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        ブラッシングとヒマラヤワックスのスプレーを繰り返し1年履きこみました。

        毛羽が少し落ちて全体に色が濃くなり、ペイントの輪郭が曖昧になってきました。

        知らない人から話しかけられたりします。

        人の目を楽しませることができてる、ってことでしょう。

        そうなってくると僕も歩くのが楽しいわけですよ。

        履き心地もよくメンテナンスも完璧。

        そんなわけでtoronの定番靴に決定です。

        もう何年かしたらさらにペイントしてもらって油絵のような濃厚なタッチにしてもらうつもりです。


        ニベレザーシューズ H? Katsukawa from Tokyo

        H?Katukawa from Tokyo(エイチ・カツカワ・フロム・トウキョウ)の夢のある靴を履いて…

        2014.04.03 Thursday

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          「夢のある靴」を履いて東京へ。

          昨日はこの靴を作った勝川さんに会いに行ってきました。

          つまりは“H? Katsukawa from Tokyo”の展示会に行ってたのですが、

          ここはなぜだか「会いにいった。」というほうがしっくりきます。

          僕には作り手と作品が一体として映っているからでしょう。

          勝川さんとお話をしていると靴が見えてくるようで、

          靴を見ていると勝川さんが見えてくるようであります。

          来期はこの定番シリーズに1型だけ新作ブーツを加えようと思います。

          それにしても、こんな変わった靴が定番になるなんてすごいことです。

          それを定番として仕入れるtoronもすごい?のかな?

          「夢のある店」でありたいです。

          H?Katukawa from Tokyo(エイチ・カツカワ・フロム・トウキョウ)silk print shoes |シャボン柄

          2013.03.13 Wednesday

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            おまちどうさまです。

            もう箱を開けるなり、ときめいちゃいますね。



            勝川さん、ありがとうございます。



            こんな靴を履いちゃったなら、



            足取りも軽くなるし、

            自然と口角も上がるんじゃないでしょうか?



            あると思うんですよ。



            ファッションが人を幸せにするって。

            ほんの少しでも…。

            H?Katukawa from Tokyo(エイチ・カツカワ・フロム・トウキョウ)silk print shoes |シャボン柄