コンビニの店員さんの最後の日

2019.09.14 Saturday

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    数年前のある日のことです。

     

    toronのすぐ近くのコンビニで買うものを選んでレジまで行くと、

     

    いつもの店員さんがいらっしゃいました。

     

    年の頃は自分の母親くらいでしょうか。

     

    僕はなぜか他の店員さんと違って、その方だけに親近感を覚えていました。

     

    同じ制服を着ていても、彼女だけどこか華やかだったのと、

     

    レジで交わされる普通のやりとりの中に、「気」のようなものを感じていました。

     

    会計を済ませると彼女が言いました。

     

    「私、今日で最後なの。」と。

     

    僕は、話しかけてもらったことに驚いたのと、

     

    少し寂しい気持ちになったことで、とまどっていると、

     

    彼女はさらに続けました。

     

    「いままでありがとう。私、いつも楽しみにしていたのよ、あなたの格好を見ることを。」

     

    このことはずっと忘れられなくて、常に僕の胸の奥で小さな炎として揺らめいています。

     

    服装などに、気をとられるのは馬鹿げている、という考えなどに掻き消されることはありません。

     

    そして、お客様の心にも火を灯すことができれば、こんなに嬉しいことはありません。

     

    toronのお客様にお似合いのレザージャケット

    2019.09.13 Friday

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      toronがレザージャケットを扱うなら、

       

      強くたくましい男の象徴としてのイメージではなく、

       

      品性と知性が香り立つような表現をしたい、と思います。

       

      鎧のようなマッチョなレザージャケットもありますが、

       

      toronのお客様に似合うのは人間の皮膚と親和性が高いしなやかなレザーです。

       

      背中のハンドステッチが、少しだけデコラティブで、振り返ったときに「男」を感じさせます。

       

       

      leather jacket / m's braque

      pants / T-MICHAEL

      shoes / forme

      shirt / m's braque

      色バリエーションにこだわらない

      2019.09.07 Saturday

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        「白、黒、紺は持っている。」という声を聞くことが時々ありますが、

         

        いくら持っていてもよいと思います。


        低価格帯の量販店では色展開がとにかく豊富ですし、

         

        色は確かに重要な要素の一つですが、

         

        ファッションのバリエーションの豊かさにおいて、

         

        色を第一に考えるのは単純すぎるかと思います。


        ない色を揃えていく、というお買い物の仕方を続けていると、

         

        色の違いが分かりやすすぎて、

         

        生地感や世界観など、本質的な違いに気がつけない、

         

        ということに陥りやすいでしょう。

         


        白いシャツに紺のジャケットが合うことは、そのとおりですが、

         

        いくつもその組み合わせを経験していると、

         

        生地や衿の違いで、合わせるべきものが変わってくる、

         

        ということが分かってきて、より洗練されていくことでしょう。

         


        「飽きない」ということは、違うことをすることではなく、

         

        同じものでも工夫することによって深みを感じられるようになる、

         

        ということではないでしょうか。


        もしかしたら「商い」もそうかもしれませんね。

         

         

        shirt / m's braque

        blouson / STUDIO NICHOLSON

        pants / STUDIO NICHOLSON

        shoes / forme

        三種の神器

        2019.08.26 Monday

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          toronの三種の神器。
          ハット、メガネ、革靴。
          もしもこれらを取り上げられたら、僕は僕でいられるのだろうか…。


          そう思うと、ワガママに店をやらせてもらっているな、と。
          お盆も過ぎたのに、なぜか静岡、京都、広島と県外の方が多かった週末。
          ほんとうにありがとうございます。

           

           

          Aquellos Ojos Verdes(アケヨス・オホス・ヴェルデス)

          2019.08.20 Tuesday

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            野趣と洗練が共存するような不思議な質感のこのシャツは

             

            尾州(愛知県北西部)の糸で尾州で織られ、尾州で仕立てられました。


            尾州は質、量ともに世界的にトップレベルとして知られている織物産地ですが、

             

            それは業界内のことで、衣料品として販売されるときには、

             

            生地の産地が注目されることもないので、

             

            この地域に暮らす人でさえ、尾州の生地に触れたことがない、

             

            どれだけ優れているかを知らない、ということも珍しくないようです。

             


            そこで、尾州の生地の素晴らしさを地元の人に知ってもらおうと、

             

            尾州にアトリエを構え、尾州の生地で尾州産のオーダーシャツを作っていたのが、

             

            Aquellos Ojos Verdes(アケヨス・オホス・ベルデス)代表の永田氏です。

             


            そんな彼が初めてtoronに来てくれたのが半年ほど前でした。


            「突然で申し訳ないですが、ブランドを立ち上げたばかりでして、

             

            サンプルを見てもらえませんか。」とのことでした。


            僕はこういうとき、たいへんありがたいことなので見せていただくのですが、

             

            あまり期待してもらってもいけないので、

             

            前提として「toronは試しにやってみる、というスタンスを持っていない。」ということ、

             

            そして「おいしいところをつまみ食いではなく、

             

            やるならブランドの世界観を表現できるだけのオーダーをする。」ということ、

             

            だから「ブランドを増やすのは、別のブランドを辞めないとキャパオーバーになってしまうが、

             

            辞めたいブランドがない。」ということ、

             

            つまりは「新規のブランドを増やすのは僕にとって、大きな覚悟がいること。」ということをお伝えしました。

             


            ところがサンプルを見せてもらって、そんなに時間の経たないうちに、僕は覚悟を決めていました。


            彼自身に下積みがあったとはいえ、デビューシーズンからここまで完成度が高く、

             

            そして、toronが求めるセンスを持っていることに驚き、感動しました。


            愛知県にも数あるセレクトショップの中で、toronを選んでくれたことを光栄に感じました。


            そして、その場でオーダーを入れました。

             


            あれから半年、2シーズン目を迎えたAquellos Ojos Verdesですが、

             

            あっという間に全国の素敵なセレクトショップと取り引きをしていました。


            やはり、本物は伝わる、ということですね。


            センスの部分がさらに輝きを増し、作品にも幅が出てきました。


            もうしばらくしたら、シャツ屋ならではのジャケットとパンツが入荷します。


            ご期待ください。

             

             

            stand collar shirt / ecru / ¥43,000+tax / Aquellos Ojos Verdes